壁面緑化で農作物の保護をすすめることができる

近年、農林業の縮小と相まって、山林原野の荒れが顕在化している。農作放棄地や杉や檜が伸び放題の山林近くにある都市では、花粉症が私たちを苦しめているし、毎年、新聞紙上で野生の猪や鹿、猿などが侵入する事件に直面するようになってきた。このような状況下にあって、私たちに打つ手はないのだろうか。農業分野においては、新たな農業従事者を求めて、UターンやIターンを希望者をターゲットに、各自治体で取り組みが進められている。また、林業分野においても、林業体験などの取り組みをはじめ、なんとか山の魅力を訴えようとする動きも出始めている。私たちは、今、人間の普段の介入によって自然との共生関係を構築していくことが、いかに環境全を調和的に保護することに役立つのかを今更ながら知ることとなった。その中でも、今、野生動物が人間の生活領域にまで食い込んできたことに対して洞察を加えなければならない時期にきている。

また、被害が出るという点において、これらの課題解決が焦眉の急であることは論を待たない。野生動物の繁殖はすさまじいものがあり、人間のそれと同じように、ゆったりと構えているわけにはいかないのである。ましてや動物保護を訴えることはピンはずれの議論になってしまう。今この時にも、猪の大好物であるイモやお米の被害が生じているかもしれない。まさに、時間との戦いであるのだ。猪によるものであればイノシシ鍋のように郷土料理として活用することはよくある話であるが、狸をはじめ野生の動物を狩猟の対象としピンポイントで退治していくことにはやはり限界もあるようだ。先日、河川敷で壁面緑化をしているという記事が掲載されていた。河川敷の植物といえば、ブタクサなどあまり知られない。はっきり言えば雑草が植えられているケースが多いし、いくらか華やかな植物を思い出してもタンポポくらいであろう。それくらい壁面に繁茂する植物にわれわれは関心をはらった。しかし、その取り組みにの目的が大変興味をそそられるのである。毒素が含まれる彼岸花を壁面緑化の主役として移植するというのである。これにより、野生動物の行動範囲を狭めていけるという寸法である。

彼岸花は観賞用に観光資源にもなりうる。もちろん、野生動物との知恵比べも予想される。慣れてしまえば野生動物が素通りして都市への迂回路をつくることも考えられる。壁面緑化にすべき植物の研究をさらにすすめていくことも必要である。どうだろうか。彼岸花をはじめ、毒素を含む植物を壁面緑化に役立ててもよいのではないだろうか。これら取り組みの延長上に、野生動物から市民の安全と保護ばかりか、農作物を保護することができるのではないだろうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*